アートを着こなす術
Marni、Kiko Kostadinov、Pyer Mossで芸術をまとう

アートそのものを身にまとうことは可能だろうか。それとも、身につけられるのは芸術品だけだろうか。アートを身にまとう「アート ウェア」を実現するには、人はどんなものを着るべきで、そしてどこにそれを着て行くべきだろうか。印象派からキュビズムまで、Kiko KostadinovやPyer Mossを通して、今シーズン注目のウェアラブルな傑作を紹介しよう。

モデル着用アイテム:スカート(Calvin Klein 205W39NYC)
Calvin Klein 205W39NYC - マルチカラー ネオプレン スカート
これは曇った窓を通して見る庭なのか、単なる庭の「印象」にすぎないのか。写真の登場より前に、おそらく、光をもっとも正確に描いたとして尊敬を集めたのが、印象派だった。この「ポピーの花畑 / ブラック」のネオプレンのスカートならば、自分が世界に対して望む印象を身にまとうことができる。

モデル着用アイテム:スカート(Marni)
Marni Marni - オフホワイト Venere プリント ドレープ スカート
低解像度で出力された画像から、古代ギリシャ彫刻の切り抜き、染みのように広がる水彩画まで、このドレープ スカート全体に広がるパッチワークのようなプリントが、さまざまな時代のヌード作品を崇めている。糸の出た切りっぱなしの裾は、アトリエにある、まだ手つかずのキャンバスを讃える歌のようだ。この創造性を掻き立てる生地に、あなたも包まれてみてほしい

モデル着用アイテム:シャツ(Paul Smith)
Paul Smith - マルチカラー テーラード ショート スリーブ シャツ
ピカソの肖像画に対する荒削りなオマージュとしか言いようのない、この半袖テーラード シャツのグラフィックには、骸骨を装飾的に描いた「ヴァニタス」も取り入れられており、死のイメージが色濃く表れている。さらに、絵の具チューブの絵を加えることで、メタ的メンズウェアの誕生だ。背景にあるキュビズムの花瓶が、このシャツが参照しているスタイルの動かぬ証拠となっている。

モデル着用アイテム:タンク トップ(Kiko Kostadinov)
Kiko Kostadinov タン & マルチカラー ギャザー インサート Bodice タンク トップ
ウェアラブルな彫刻という形でアート作品を実現できるのに、表現を模様にとどめる必要がどこにあるだろうか。このタンク トップは、セルリアン ブルー、カドミウム レッド、フタロ グリーン、インディアン イエロー、ヘリオトロープ、そしてウルトラマリンのふんわりとしたプリーツをあしらうことで、絵の具とパレットの両方の役割を果たしている。

モデル着用アイテム:タートルネック(Reebok by Pyer Moss)
Reebok by Pyer Moss - Derrick Adams Edition マルチカラー オール オーバー プリント タートルネック
アメリカの美術家兼パフォーマンス アーティストで、キュレーターでもあるデリック・アダムズ(Derrick Adams)が、その才能をPyer MossとReebokに提供した。その結果、ルネサンス的な万能人にぴったりの、アートとスポーツとデザインがひとつになった多角的な服が誕生した。