広がるベージュの宇宙
Burberry、Random Identities、Enfoldから宇宙で最も普遍的な色を探る
2002年、ある天文学者のチームが近隣の銀河についてスペクトル解析を行い、宇宙の色を平均すると淡い泡のようなベージュ色であると結論づけた。そう、ベージュは、現に宇宙で最もベーシックな色であることが科学によって証明されたのだ。もっと正確に言えば、色の中でいちばん基本的ということだ。ベージュこそすべてであり、過去においてもすべてだった。そして、この先もベージュがすべてであり続けるだろう。ベージュは奥が深い。その意味でも、ベージュは宇宙そのものだ。今回SSENSEは、天の川のこちら側で最も洗練されたベージュの標本について詳しい調査を行い、ニュートラルで知られるこの色に新たな光を当てる。
画像のアイテム：シャツ(Burberry)
Burberry ベージュ チェックGeorge ショート スリーブ シャツ
1920年代に作られ、当初はBurberryのシグネチャであるトレンチ コートの裏地に使われていた、老舗ブランドのトレードマークとも言えるノバ チェックだが、ここ10年、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)と前任のクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)というふたりのクリエイティブ ディレクターの下で、彗星のごとく表舞台に復活した。というわけで、眠っていた星が再びまばゆく燃え上がる天文学的現象と、この伝統的なキャメルのチェック柄が同じ名前を持つのも納得だ。この半袖ボタンアップを身につけて、明るく輝こう。
画像のアイテム：コート(Enfold)
軽量なオーガンジーで作られた、この月の色をしたトレンチ コートは、チラチラと光る彗星の尾と同じように半透明だ。幽玄な月の光のレイヤーに身を包み、自分が見たいと思う夜空の天体に、ならってみよう。
画像のアイテム：ヘアブラシ(Bless)
ヘアブラシというか、ヘアでできたブラシというべきか。木と人毛で作られたBlessのオブジェは、シュルレアリスムの芸術家メレット・オッペンハイム(Meret Oppenheim)の作品を思わせる。私たちの生きる、ポストモダン以後の現実の遺品。これは地球外の同胞に向けて送信するのに、ぴったりの芸術品ではないだろうか。「エイリアンたちによろしく。Blessより」
画像のアイテム：バッグ(Little Liffner)
Little Liffner ベージュMicro Tulip トート
こぐま座(Little Dipper)は、Little Liffnerには関係がない。何はともあれ、このブランドのコンパクトなMicro Tulipトートに必要な持ち物を入れれば、打ち上げ準備完了だ。
画像のアイテム：スカート(Random Identities)
Random Identities ベージュ チノ スカート
ユニセックスなユニフォームで着飾るのに、何も惑星連邦の宇宙艦エンタープライズ号の乗組員である必要はない。Random Identitiesのステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)は、メンズウェアとウィメンズウェアにおける慣習を粒子加速器の中にぶち込んだ。その結果誕生したのが、ベージュが平凡からは程遠いものであることを証明する、チノ スカートのハイブリッドだ。
