パープルに包まれて

紫色はプライマリーカラーではなく、セカンダリーカラーだ。だからと言って「重要な色ではない」というわけではない。紫色は、高貴さのイメージと結びつけることが最も多い色で、富や英知の象徴でもある。神秘的で、心を落ち着かせ無心にしてくれる色と言われ、自然界においてもよく目にする。パープルは安らぎをもたらしてくれる。それはまるで、アロマセラピーのラベンダーを「目で感じる」ようだ。見ていて心地良いので、注意を向けなくても自然と目に留まる。そんなパープルは、賢明な人が選ぶ中間色と言えるだろう。

Random Identities ホワイト & パープル PJ ブラ シャツ

Random Identitiesはファッション シーンを牽引する新ブランドだ。熟練デザイナー、ステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)が率いる同ブランドは、独創的なテーラリングで、示唆に富んだ、若さあふれるデザインを生み出す。それは老舗メゾンで豊富な経験を積んだピラーティだからこそ成せる業だ。今回ピラーティは、首からぶら下がるブラジャーのトロンプルイユをあしらった、フォーマル感が漂うパジャマ シャツを発表した。シンプルなデザインは、ビジネスでもパーティーでも使えそうだ。ブラジャーの色は、オレンジ、ブルー、ブラック、そしてもちろん、パープルから選べる。

Ambush パープル Nobo クリップ イヤリング

ユン・アン(Yoon Ahn)が一躍有名になったのは、ガラクタの入った引き出しをぶちまけたような、遊び心あふれるデザインによる。まだこの手のデザインがトレンドになる前のことだ。ありふれたモノを、高級感のある魅力的なものに変身させる彼女の手法は見事だ。中でも、長らく赤や黄色といった原色の陰に隠れていた、マクドナルドのグリマスのような紫色ほど、彼女の技が光る色は他にないだろう。

Acne Studios ブルー Selma シャツ

Acne StudiosのSelmaシャツからも分かるように、グルービーなフォントはニュートラルにはほど遠い。だが、「DANCE」の繰り返しによって、トランスのようなニュートラルな状態が作り出される。この夏は、クラシカルなボタンアップの白シャツは忘れ、メッセージ性のあるシャツを選ぼう。そしてシャツに書かれた呪文を唱えながら、その魅力を堪能しよう。ダンス、ダンス、ダンス…

Marine Serre パープル ドラゴン キャットスーツ

全面紫色のこのキャットスーツは、「誰もパープルを隅に追いやることなんてできない」と主張する。往々にしてパープルは冷静沈着なものだが、このパープルの勢いは止まらない。

Suicoke パープル KISEE-V サンダル

日本のフットウェア ブランドSuicokeは、ベーシックなものにひとくせ加えることで、使い勝手が良さそうで、かつ新鮮味もあるアイテムを作り出す達人だ。Suicokeのサンダルは、その大半がブラックやホワイトだが、ブランドはアクセント カラーの効力も理解している。そんなSuicokeが、今シーズンの差し色として選んだのがパープル。グレーがかった深みのあるパープルは、控えめでありながら斬新さを宿している。