静かなるエキセントリック

高級感あふれるニュートラル カラーで知られるNanushkaだが、ここでは、柔らかなパープルとオレンジを使ったペイズリー柄で、デザイナーが生まれ育ったブタペストの生彩を再現している。

パッチワークの本質はピエロに見られる遊び心であり、案山子のように野原や田畑でも目立つデザインを思わせる。では、ブラックとグレー トーンのキャンバス素材を使用したパッチワークは、どうだろう？ これなら、何もしなくてもきっと自然に目立つはずだ。

ピエロと言えば、ニューヨークに拠点を置くBodeは、王に仕える道化師にこそふさわしい、ウェアを提供している。風変わりなデザインなのに、驚くほど上等な生地を使用し、歳月だけが醸し出せる渋い仕上がりが特徴だ。それは、幻想でもなく見せかけ倒しでもない。Bodeの服は、100年以上も前に作られたテーブルクロスやベッドリネンなどのアンティーク生地を使用しているからだ。見ての通り、このグリーン モアレのトラウザーズなら、ビリヤード ルームでも一際輝くだろう。

深みのあるピンクとネイビー ブルーが美しい層を成し、上品なヒョウ柄がナチュラルな印象を与えてくれるSacaiのソックス。このソックスで、しとやかに人目を惹きつけよう。

このLoeweのトートは、個性をしっかり主張しながらも、心地よいささやきで語りかけてくる。禅庭にある石の水場を思わせるレザーバッグ、見ていると心が落ち着く水槽のようなキャリーオールだ。ジュエル トーンはもう古い。次にくるのはストーン カラーである。

Jil Sanderの赤いシュバリエ リングには、どことなく形見の品の雰囲気がある。親から子に代々伝わるレガシーというラグジュアリーが、そこにはある。