ベーシックに斬新に:働くブレザー
Pyer Moss、Lemaire、Thom Browneなど、見事な仕事ぶりのブレザーたち

ブレザーほど「仕事」を体現するものはない。何かはわからないが、ともかく何かを仕切っている立場を暗示する。だから、ついつい「デキる人」に見えそうなデザインを選ぶ。最低限、仕立てが良いことだけは譲れない。だがブレザーは今、権威より遊び心を感じさせるものになりつつある。そんな中から、特に注目の優れものをご紹介しよう。

画像のアイテム:ブレザー(Jacquemus)
牡丹の花、ストロベリー味のお菓子…。私たちの生活には、時折、ピンクが出現する。このブレザーもそのひとつ。「La Veste Qui Vole - 飛んでゆくジャケット」という名のとおり、このブレザーはあっという間に飛び去ってしまうかもしれない。あるいは桜の花びらのように、そよ風に揺れるだろうか。Jacquemusはいつだって美しく花開く。

画像のアイテム:ブレザー(Issey Miyake Men)
プリーツの名匠が選んだコットン織地。ストーンウォッシュならではの落ち着いたグレーと柔らかな風合いは、ピクニックにもオフィスで過ごす1日にも、優しい着心地を約束してくれる。必要とあらば、コンクリートの壁の前で姿を消すことだってできる。

画像のアイテム:ブレザー(Off-White)
いつでもどこでもOKなブラックのブレザー。ただし、控えめながら出自は歴然だ。どこの馬の骨だかわからないのでは、ただの当たり前なブレザーと変わらない。

画像のアイテム:ブレザー(Lemaire)
信頼できるベージュのシルクは、確実に、完璧に、ミニマリズムを成功させる。百聞は一見に如かず。

画像のアイテム:ブレザー(Pyer Moss)
普通の、変わり映えのしない(?)ボタンの代わりに、ストラップ。デザインもユニークなら、カラーも負けず劣らずユニークな一品。

画像のアイテム:ブレザー(Thom Browne)
ツイードに、イースターの卵を思わせるパステルカラーが登場した。だが、このブレザーの出番は春の祭日だけではない。2020年は、あらゆるタイプのスーツで埋め尽くす年なのだから。
- 翻訳: Yoriko Inoue
- Date: February 12, 2020