体験レポート：GmbH
Asics Edition GEL-NANDI
360 スニーカー

アーティストのウォルター・スコット(Walter Scott)が『ウェンディ』を世に送り出したのは、2014年。以来、だらしなくて心配性でヒップな美大生のウェンディは、モントリオールのあちこちで開かれる展覧会のオープニング パーティーに顔を出しながら、アーティストの道を手探りしてきた。その不運な体験は、現在3冊を数える『ウェンディ』シリーズのモノクロ世界に描かれてきたとおりだ。いつもどこかのパーティーに混ざり、時折り創作に取り掛かり、例外なく前夜の成り行きに身悶えし、愛と世界的な成功を手にする可能性を頭の中でひね繰り回す。わかる、ウェンディの気持ちはとてもよくわかる！ シリーズでもっとも高く評価された最新作の『Wendy, Master of Art』では、苦闘の末、ついにウェンディがビジュアル アートの修士号を手にする。

さて、トレンドを懐疑するシニカルなアンチヒロインが、GmbHのAsics Edition GEL-NANDI 360 スニーカーというファッショナブルなスニーカーを試して、否応なくトレンドに魅せられてしまった今回の体験レポート。私たちの多くと同じように、ウェンディは人と違う特別な存在になりたい、流行なんかとは一線を画したいと思う一方で、切実に帰属感を求める気持ちがある。彼女ほどの文化通が馴染める場所は、一体どこにあるのだろうか？