地平線の彼方にチリと消える

地球上でもっとも細長い国のひとつ、チリは南アメリカの西海岸に北から南へと伸びている。その形は、チリの国花であるツバキカズラのシルエットを思わせる。ツバキカズラの色は、ほんのり淡い桃色からバラのような緋色まで幅広く、鮮やかな色彩が、広大な分だけ趣もさまざまな、荒涼とした大地に映える。ショーン + センのダスティな色味の写真で見る地形に紛れて、ツバキカズラの緋色と同じ赤が顔を出す。きらりと光るサングラスのフレームにも、横に伸びる山の尾根にも、モックネックの光沢にも、夕日に隠れた意味にも、その赤はある。SSENSEの最新エディトリアルで、ショーン + センが、Loewe、Balenciaga、Chloéを通して、世界の捉え方を探る。