1万マイルの彼方、ニュージーランド南島の美を探して

写真家マルセロ・ゴメスがPrada、Nike、Margiela、Marc Jacobsを撮る

    1月から2月にかけての3週間、ニューヨークを拠点に活躍するフォトグラファー、マルセロ・ゴメス(Marcelo Gomes)は都会を離れ、ニュージーランドの南島へ赴いた。南島で、ゴメスは夏の暖かさが見せる、おぼろげな夢を記録する。機会さえあれば、私たちはなんとあっけなく、身にしみる冬の寒さを忘れてしまうことか。

    だが、そこでも風は吹きすさんでいた。それも少なからず。

    断崖絶壁と松林。そしてキラキラと日光を反射する湖。

    遠くに見える山々の眺め。

    風化してあばたのように穴のあいた石灰岩、エレファント ロック。

    硫黄のために黄色の地熱の熱水が湧き出る池、ワイオタプ。これはマウリ語で「神聖な水」を意味する。

    ワナカ湖にぽつんと生えた1本の木もあった。

    ひっそりとした三角州。

    人影のない、岩がちな浜。

    そして、飴玉のような青色の氷河。

    ゴメスは感触を写真に撮る。それは反芻に近い。感触は曖昧であり、本質的にそういうものだ。何ひとつ遮るものがない道路が広がり、眺めの良い景色を見るためだけに止まることの開放感。どこで止まるか、ひとつに絞るのはなんと難しいことか。

    モデル着用アイテム:ジャケット(Prada)

    モデル着用アイテム:スイムウェア(Haight)

    モデル着用アイテム:ジャケット(Nike ACG)ブーツ(Loewe)

    モデル着用アイテム:ドレス(Y's)フラット(Loewe)

    • 写真: Marcelo Gomes
    • モデル: Grace Atkinson
    • 翻訳: Kanako Noda