ドナテッラ叙事詩

ドナテッラ・ヴェルサーチェ：スペイン階段でファッション ショーをやる予定だったから、準備のために、子供たちとローマにいたの。すると突然兄のサントが「作業は中止だ！ ジャンニが事故に遭った！」って叫んだ。マイアミの病院の電話番号をもらって、担当の医師をつかまえて、兄の容態はどうですかって訊ねたら、「残念です。兄上は3分前に亡くなりました」。あの瞬間、世界が止まったわ。

子供たちのこと！ あの子たちのところへ行かなきゃ、と思った！ ホテルの部屋で、テレビのアニメを見ながら待ってる約束だったから。ほんの2～3分で部屋に駆けつけたけど、ショックを受けてるのは一目瞭然だったわ。アニメの途中でニュース速報が入って、伯父さんが血溜まりの中に倒れてるのを見てしまったのよ。人生には必ず、物の見方を変えてしまう出来事がある。そんな体験の後では、すべてが違って見えるし、過去が形を失う。兄が殺されたことは、私の子供たちと私にとってそういう出来事だった。

亡くなった兄の姿は、今でも脳裏に焼きついてるわ。1発は首、1発は顔。確認を済ませた後、オーシャン ドライブのジャンニの別荘へ行ったら、マドンナ(Madonna)が中で待ってて、ずっと私を慰めようとしてくれたことは決して忘れないわ。家の中は、どこもかしこもFBIの捜査官だらけでね。私たちひとりひとりを尋問して、引き出しという引き出しを全部開けて…悪夢よ。兄が殺されたばかりだというのに、まるで容疑者扱い。まあ、それがあの人たちの仕事なんでしょうけど。

あの男はサイコパスだったのよ。モンスターよ。小さい頃から病的に名声に執着してた、って彼の両親が言ってた。ジャンニを殺せば、有名になって、不滅の名声を手にできると思ったんだわ。前日にTシャツを買おうとしてたのよ。ところがお金が足らなくて、「まけてくれよ。僕は明日有名人になるんだから、後悔しないよ」って店員に言ったそうだわ。あの男は、ジャンニを最後の犠牲者にするつもりもなかった。警察が所持品の中から見つけたメモに有名人の名前が書かれていて、いくつかに印がつけてあった。あの後数週間でその人たちの殺人を予定してたらしいの。

とても顔が腫れてしまったから、ジャンニは落ち込んで、人前に出なくなったわ。日中に何度か訪ねていって意見を聞いてるのに、ようやく仕事を終えて夜遅くに家に帰ると、3度も4度も電話してきて、仕事の話をすることがよくあった。「ジャンニ、さっき電話で話したばかりでしょ！」って私が不平を言うと、「だから何だい？」って。彼が死んでしまった後になって、あれは私を教育して、後継者としての重荷に耐えられるかどうか試してたんだとわかったわ。でも、事件の半年前、奇跡が起こったってジャンニは私に言ったのよ。癌細胞が身体からきれいさっぱり消えてなくなったと、お医者様に言われたんですって。それなのに、数か月後に殺されてしまうなんて、皮肉としか言いようがないわ。

クレージーな遺書だったわ。だけど、クリエイティブな人間はみんなクレージーなのよ。ジャンニはアレグラを溺愛して、いつも「僕の可愛いプリンセス」と呼んでたけど、あの遺書は娘に大きな重荷を背負わせたわ。11歳で見出しを飾るなんて、どんな子供にだってさせたくない経験よ。

ええ。遺書の内容を決めたとき、公証人のところへ一緒に行ってくれと頼まれたから。私の娘にVersaceの半分を遺すことで、娘が成人するまで私が会社に責任を持つように仕組んだのね。そうでもなかったら、彼がいなくなった後、私はVersaceを去っていたかもしれないもの。

3か月、仕事を離れて休養すること。誰とも会わないこと。自分自身の内なる声だけを信頼すること。最初の1年の計画を立てること。そして何より、ジャンニと同じになろうとしないこと！ 全部、その反対をやったわ。アドバイスする人の数を増やせば増やすほど、私はもっと不安定になって、もっと混乱した。ジャンニがいなくなった後の4か月は、ほとんど何も覚えていないの。孤独と痛みの暗いトンネルでもがいてた。その後は、毎週スーツ姿の男が現われては「会社を売ってください。あなたのご家族が2度と働く必要がないだけの金額をお支払いしますよ」って言うの。ぞっとしたわ。だってジャンニは、オフィスの椅子ひとつでさえ、売って欲しくなかったと思うから。ジャンニにとって会社はファミリーだったし、ファミリーは売物じゃないわ。

次から次へと過ちを犯して、ジャンニの代わりになろうとした。でも、いつも完全じゃなかったわ。私が何か新しい事をやるたびに、みんなが頭を振りながら「今度は何をやるつもりなんだ？」って言うの。少し強くなって、天才の仕事を引き継ぐプレッシャーに耐えることを学んだのは、7～8年経ってからよ。

夢に出てくるジャンニは、あなたたちふたりと同じくらいリアルなの。そして「ドナテッラ、ここにある醜い服は、一体どういうことだ？ Versaceなんだぞ。教えてやったことを、全部忘れたのか？」って叫んで、服を掛けてあるラックをひっくり返してしまうのよ。ありがたいことに、滅多に見ないけど。

まさにその通りだわ。私の髪はますますブロンドになったし、メイクアップはどんどん濃くなった。全世界が突き刺すような目で私を見てる気がして、自分を守るマスクを作
ったの。私の内面を誰にも見せたくなかったから。

私はVersaceの新しい顔だったのよ。ドラッグのせいで正気じゃなくて、自分で自分が耐えられない…そんなひ弱で不安定なデザイナーの服を買う人がいる？ 誰も欲しがらないわ！ だから、もうひとりのドナテッラを作ったの。クールで、よそよそしくて、アグレッシブで、不気味なドナテッラ。

私は朝早くから夜遅くまで働きづめだったから、ドラッグへの依存について自問する必要がなかったのよ。時折依存と向き合ったときは、自分がとってもとっても病んでることがわかったけど、すぐに次のミーティングの時間がやってくる。夜になる頃にはちゃんと機能できなくなって、子供たちの前で醜態をさらしたこともある。自分自身をますます憎悪するようになってたわ。

その2～3日前に、彼のコンサートに行ったの。観客の中に紛れる代わりに、私はステージの脇に立って、ずっと泣き続けたわ。どうして泣いてたのか、わからない。エルトンは、演奏しながらずっと私を見てた。きっとあの夜、私が助けを必要としてることがわかったんでしょうね。

馬鹿なことを口走ったわ。「低脂肪の食事を出してくれるんだったら行ってもいいわ。海老とお魚のグリルよ。オイルはダメ。塩分もダメ」。私がエルトンの申し出を受けるとは誰も予測してなかったけど、数分後にはイブニング ガウンとダイアモンドの姿からジョギング スーツに着替えてた。髪をポニーテールにくくって、ノーメイクで空港へ向かったわ。

まさか！ とんでもない！

最初はショック状態。その後、どんどん疑問が湧いてきたわ。リハビリ施設がどんなものか、まったく見当もつかなかったし、アリゾナがどの辺りにあるのかもよく知らなかったし。

依存症は、誰も彼も、同じような人間にしてしまうということ。禁断症状も辛かったけど、施設を出てから目にした現実のショックのほうがもっとひどかったわ。ドラッグのせいでものが見えなくなって、どれほど会社の状況が悪化しているか、わかっていなかった。

規律の厳格さ。2～3回違反するだけで、即刻追い出されるの。言い訳無用。問答無用。

ええ、でも退所後は付き合わないようにと言われたわ。どちらかが依存へ逆戻りしたとき、一緒に引っ張られないようにという配慮ね。

庭に喫煙場所があったけど、屋内は完全に禁煙。一度、自分の部屋の窓を開けて吸ったことがあるの。そしたら、3服目にドアから看護師が飛び込んできて、こっぴどく叱られたわ。あんなに身が縮む思いをしたのは、10歳のとき以来だったわね。

いいえ。止めた理由は娘。あの子は誰でも脅せるのよ。8年前に「また私に会いたいんだったら、今日限りタバコを止めること。永久にね！」って、宣告されちゃって。あの日から、ただの一度もタバコに触ってないわ。

アレグラは、Versaceの役員だし、セカンドラインのVersusで仕事をしてる。とても頭がいいし、観察が鋭いの。彼女が役員会で発言すると、全員が耳を傾けるわ。会社の半分を所有しているからではなくて、的確な質問をするから。

ダニエルは、Versaceという名前と一切関わりたくないの。煩わされないように、違う名前に変えたのよ。

ダニエルは、Versaceという名前がミュージシャンとしてのキャリアの邪魔になるし、余計な七光りになると思ってる。 私自身は、そういう考えに100%同意してるわけでもないわ。結局のところ、いいミュージシャンかよくないミュージシャンの2種類しかいないんだから。だけど、彼の人生だし、決断するのは彼だし、正しい選択のようね。演奏を見ればわかるわ。音楽であれほど幸せになる人は、めったにいないもの。

ロンドン。

いいえ、ロックンロールとハード ロック。アルバムを録音するときは、全部の楽器をひとりでこなすし、素晴らしいプレーヤーよ。先生も良かったわ。小さいときはエルトン・ジョンがピアノの手ほどきをしたし、大きくなってからは、私の友だちのアクセル・ローズ(Axl Rose)なんて人たちがギターを教えてくれたんだもの。

彼と別れて、いえ離婚して、18年ね。ポールはニューヨークにいるわ。今でもいい関係よ。子供たちの父親だから。あと誰のことを知りたいの？

2年前に、私は会社の経営陣をほとんど総入れ替えしたの。サントは今でも助言する立場だけど、日常的な業務にはもう携わっていない。サントがベルルスコーニを支持した理由については、今もって理解できないわ。

ないわ。我慢できなかったのは、ジャンニの事件の後、何年も送られてきた手紙の類よ。霊媒を名乗る人たちが、亡くなった兄と話をさせてあげるって言うの。その後に振込み用の銀行口座が書いてあるという仕組み。神はひとり残さず同性愛者に死の罰を下すから、あの殺人は正しいことだと書いてきた人もいる。私も罪深い生活を送っているから、神様の死刑リストで次の番だとかね。世間には頭のおかしな人間がどれほどうようよしているか、知らなかったわよ。家族全員の身の危険を感じたから、脅迫状は全部警察に渡したし、子供たちの登校にも必ず付き添いをつけたわ。

止めて！ あれは、まったくいい加減で、ろくでもない代物よ。私はあんなものを観るのは断固お断り。だから、話すこともないわ。

ジャンニに関する嘘で金儲けを企む人たちには、今でも前と同じくらい腹が立つわ。弁護士を立ててあのテレビ シリーズを告訴しようとしたけど、成功しなかった。ジャンニは現代の歴史上の人物だから、個人としての権利は制限されるって理由よ。事件後に出版された本だけでも25冊くらいあるし、それぞれ好き勝手に犯人の動機にを唱えてるわ。いちばん突拍子もないのは、マフィアの契約殺人だったという説ね。どれほどの件数を法廷で争ったか知れないわ。でも、ひとつ勝訴しても、すぐに別の本が出版される。お手上げよ。どうして今更テレビ シリーズに兄を引っ張り出さなきゃいけないの？ 20年前の事件なのに、どうしてジャンニをそっとしておいてくれないのかしら？

ペネロペは私に電話してきて、プロジェクトのことを教えてくれたわ。私をとても尊敬しているから、台本に事実と違うことがあったら知らせてほしいって。

その本のことは去年まで知らなかったの。読んでみて、事実と違う点をリストにしてテレビ シリーズの制作会社に送ったら、あくまでモリーン・オースの書いた本を番組にするのだから、私の指摘を考慮に入れることはできないという回答が来たわ。あのシリーズはフィクションであってドキュメンタリーではないと、はっきり視聴者に断るべきよ。

プレッシャーは前より少なくなったの。だから、ここ何年か、私も前より柔らかくなった。隙を見せたらすぐさま後ろから刺されると思ってたけど、また、人を信頼できるようになったわ。

ええ、その役割分担は好きだわ。愛人でいる方が、妻でいるよりずっと楽しいわよ。

ジャンニが描いた理想の女性は、シックなカクテル パーティを中心に生活が回る女性だったわ。 社会の主流が受け入れている嗜好の境界を超えて、大胆に享楽を追い求めて挑発する、そしてそのことを気儘に楽しむ女性。私のVersaceが表現する女性は、仕事と家庭を持って、マルチタスクをこなす女性よ。彼女が必要とするのは、主に、午前7時から午後7時にふさわしい洋服。仕立てが完璧で、ちょっと華があって、だけどさりげない。挑発するファッションではなくて、自信を支える土台としてのファッションなの。簡単に言うと、Versaceのファッションはもっと現実的になったということね。

先ず「これが本当の私だわ！ ようやく本当の自分を見つけた！」と思ったわね。ブロンドっていうのは、太陽に愛撫されること、そして自分自身の太陽になるってことよ。エネルギーに満ち溢れて、明るくて、暖かい。12歳の私は、ジャンニがあらゆることを打ち明けるいちばんの親友だった。素敵なレザーのミニスカートを作ってくれて、ディスコに連れて行って、私を大人の女性のように扱った。私はジャンニのクレージーなところが大好きだったし、夜中のロック コンサートに行くと、知り合いの女の子たちが羨ましそうに見てたものよ。私の人生でいちばん幸せなときだったわ。大人になった気分だったけど、同時に、未来が永遠に続くと思ってる子供だった。人生は、そんなふうに、ずっとハッピーだろうと思ってたわ。

明け方の4時に家に帰ったら、母がジャンニに金切り声を上げたわ。「自分の妹を一体どうする気なの？ 連れ回すのはやめなさい！ 16歳だなんて、嘘をつくんじゃないの！」って。ママはイタリアの南部の出身だから、当然、一家の主なの。だけどジャンニは、ママの厳格なところは真面目に取り合わなかったし、チャーミングにママを丸め込んでた。

ジャンニはひどい成績だったわね。私は、ママが学校へ行かせてくれないことが多々あったにしては、とてもいい成績だったわ。朝、クレオパトラみたいなアイメイクでキッチンへ下りていくと、「そんな格好で外へ行くんじゃありません！ メイクを落とすか、そうじゃなかったらずっと家にいなさい！」って叱られる。私も頑固だから、部屋に閉じこもるってわけ。

いいえ。ジャンニは、イタリアで最初に堂々と同性愛者であることを公にした男性のひとりよ。私が11歳だったとき、ジャンニは自分のセクシュアリティをきちんと説明してくれたの。隠さず教えてくれてとても嬉しかったし、崇高な気持ちになったわ。

私はとても優秀な学生だったから、教授には大学の仕事を勧められていたわ。自分でも、講師になりたいと思ってたし。ところが、ジャンニは、ふたりで一緒にファッションをデザインするべきだっていうの。ジャンニはCALLAGHANで働きながらファッションを独学して、独り立ちを目指してた時期でね、自分のデザインをひとつ残らず私に見せては意見を聞きたがったわ。22歳になる頃には私も気持ちの整理がついたから、大学を辞めて、以来ずっと右腕、左腕としてをジャンニを手伝った。Gianni Versaceを立ち上げてからは、王様の意見にあえて反論するのは私ひとりだった。ジャンニは、うるさがりながらもちゃんと私の意見に耳を傾けたし、必要なときは自分の決断を修正する良識があった。

下らない質問ね！ スーパー モデルを誕生させて、彼女たちを世界的に有名にしたのはジャンニよ。有名人からビジネスウーマンへ飛躍して国際的な成功を収めた彼女たちは、女性が夢見る模範として、ふさわしい尊敬に値するわ。シンディやナオミほど頭が切れて企業精神のある男性って、滅多にいない。あの人たちの経歴を知ったら、女性の権利のために戦う活動家だって誇りに思うはずよ。

私がVersaceを使える限り、私はVersaceに留まるつもりよ。でも、断言するけど、オフィスから無理矢理連れ出されるようなことにはならないわ。私は目を大きく見開いて後継者を探してる。ただ、理想的な解決策がまだ見つからないだけ。

できると思うわ。VersusのためにJ.W. アンダーソン(J.W. Anderson)、クリストファー・ケイン(Christopher Kane)、アンソニー・ヴァッカレロ(Anthony Vaccarello)を起用したことで、優秀な人材を見つける私の嗅覚は証明されたもの。Versaceのデザイン チームには、ロンドンのセントラル セント マーチンズで学んだ20代の若者がたくさんいるの。誰かが私より才能を発揮することを、私は恐れていない。反対に、そういう人を探してる。決まった部下だけに頼るデザイナーは、必ず、前線から脱落することになるわ。私は、25歳のスタッフに「昨日はあなたの考えが間違ってると思ったけど、今は、あなたの考えの方が私の考えより筋が通ってると思う」と言える。それができないほど、私のエゴは肥大してないわ。

社員の90パーセントは拍手喝采(笑)。真面目な回答としては、経営陣が、私の娘に相談した後、新しいリーダーを指名するでしょう。

馬鹿げたほど自意識が強いのは保守的な古手だけ。50歳未満で自分は神様だと自惚れてるデザイナーがいるとしたら、笑いものになるのがオチよ。癌の治療薬を発明した科学者なら世界で一番偉い人間だと自画自賛してもいいけど、私たちはファッションを作ってるだけなんだから。ええ、私たちはファッションを愛してる。だけど、ファッションを神様のように崇拝することはないわ。

オードリーに「犬」って言葉を使わないで頂戴！

名前で呼ばれないなんて、オードリーが聞いてたら気を悪くするわ。オードリーには、人間と同じ知性と強烈な個性があるの。

オードリーは自分のことを私だと思ってて、私がやることは何でもやりたがるの。床で寝そべったりしないで長椅子の私の隣に来るし、自分の寝床で寝る代わりに私のベッドに飛び乗って寄り添ってくるし、私が食事をするときは向かい側の椅子に坐って、まるでお洒落なレストランで一緒にディナーしてるみたいなの。写真を撮られるが大好き。社内で写真撮影担当のスタッフを見つけて以来、ずっと後をついてまわってるわ。

オードリーは女の子なの。ただそれだけのこと。女性であることでオードリーを非難する気？

私は聴き上手よ。人の話をよく聴く。人の助けになれるのは嬉しいわ。

いいえ、できるようになりたいとも思わない。ママは料理なんか、したことがなかった。

できないわ。だって、そんなことしたら自分で自分がわからなくなるもの。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)だって、サングラスを外せば同じことでしょうよ。それに、ブロンドはわたしの生き方よ。アマゾネスのように世界に立ち向かう。これまでの人生の悲劇を生き延びてこられたのは、ブロンドが力を与えてくれたおかげ。

本当のことを言うと、2007年には恋人がいたの。だけど、プライバシーに関しては、ジャーナリストに嘘を言っても構わないと思ってるから。

ファッション界の住人は奇妙な人たちばかりだから、私の生活も奇妙なの。でも、ファッションを批評するのはいいけど、私生活をあれこれ言わないで頂戴。私には、毎日言葉を交わす友人がとても沢山いるわ。そういう知人がいて、幸せだし、満ち足りてる。ふたりの子供がいることも忘れないでね。愛のない生活を送ってるわけじゃないんだから。気分転換に、もっと楽しい質問はないの？

どうして今時女性に男性が必要なの？ 今更女性が力や決断力や独立心を証明する必要なんて、もうないのよ。男性が必要なのは、恋愛と肉体的な満足のためだけ。

6時から7時のあいだに300回、毎朝やってるわ。時には、お腹にウェイトを置いてね。腹筋に関しては、マドンナと同じくらい徹底してるの。

ハイヒールを履いていくわ。きっと神様は見たことがないと思うから。