アビタ67団地とThe Row

アビタ67団地をデザインする際、建築家のモシェ・サフディ(Moshe Safdie)は、身近にあるもっともシンプルなブロック、レゴに目を向けた。モジュール式になった殺風景なコンクリートの塊が、蜂の巣のようになったアパートのデザインを作り出している。このアビタ67団地は、半世紀以上もの間、モントリオールに立ち並ぶビル群においてブルータリズム建築の中心として君臨してきた。だがサフディは、このコンクリートの滑らかな仕上がり具合は、ブルータリズムを拒絶するものだと主張する。このちょっとしたディテールが、大きな違いを生むのだ。

The Rowを率いるメアリー＝ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)と アシュレー・オルセン(Ashley Olsen)の双子姉妹が、自らの技の多くに磨きをかけたのは、撮影現場でつぶさに観察した仕立ての手法を通してだった。ブランドの立ち上げ当初より、スタイリスト仕込みの手練によって、双子の眼識と鋭い感性は磨かれていった。The Rowが誇る極上のテキスタイルとカットは、服のシルエットを決めるのがその素材であることを証明している。

周囲の環境を引き込んでワンランク上の表現へと変える。これは、アビタ67団地とThe Rowに共通する特徴だ。そこではミニマリストもマキシマリストになる。The Rowのコレクション、ついにSSENSEに登場。