十人十色のLouis Vuitton

ポンピドゥー センターを舞台にしたランウェイから、リアーナ、村上隆まで、アルファベットで、ジェスキエール時代のLouis Vuittonを紐解く

  • 文: Oana Stănescu & SSENSEエディトリアル チーム
  • アートワーク: Sally Thurer

パリのボブール地区にある、かの有名なポンピドゥー センター。その前に広がる公共広場は、非常にさりげないディテールでもっともパワフルな効果を挙げたデザインのひとつに数えられる。建物に向かって地面がわずかに傾斜していることで、歩行者と広場のあいだに非常に幅広い相互作用が生じるのだ。地面に座り込んでもいいし、大道芸を見物してもいい。ポンピドゥー センターを見上げれば、エスカレーターに乗ったり、階段を登ったり、歩いたりしている人々の姿が見える。地面の傾斜はそれとは気付かない程度だが、ポンピドゥー センターときたら、その正反対に思わず目を瞠る建築だ。そして、シンプルな自然とエキセントリックな現代が隣り合うこの場所で、パリは活気づく。この広場で、人々は「今、自分がいる場所」を生き生きと知覚する。

Louis Vuitton ウィメンズ コレクションのアーティスティック ディレクターを務めるニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)の言葉を借りるなら、ボブール地区は「表現が自由でありうる場所」だ。色分けされたメタルの構造要素が正面に並び、まるでカラフルな林を思わせるポンピドゥー センターが、2019年秋冬シーズンを誕生させるインスピレーションとなり、また作品を発表する場所に選ばれたのは、単なる思いつきではない。ポンピドゥー センターは美術館、図書館、コンサート会場を含む総合的な文化施設だが、大部分は公共空間であり、構想が発表された1968年の革命精神を反映した時代の申し子だ。当時、パリの街路は学生に占拠され、ほんの一瞬ではあるがフランス全土の経済が停止し、ド・ゴール大統領が避難したほどだった。レンゾ・ピアノ(Renzo Piano)とリチャード・ロジャース(Richard Rogers)が1971年にコンペで勝利した設計は、さまざまな用途に合わせて利用できる広々とした共用空間を目指し、そのために、機械装置、柱、通路などをすべて建物の周辺部へ移動させた。普通なら見えないように建物の後部に隠されいるものが、目前に晒されたのだ。1968年にフランスで吹き荒れた5月革命のスローガンのひとつ、「Soyez réalistes, demandez l'impossible – 現実家たれ、不可能を求めよ」が文字通り形になったと言えるだろう。

カラフルな機械装置が陽気な雰囲気を発散する正面では、足場を組んだような構造を大勢の人々が動き回っている。この建物はパリに欠かせない部分、いわば、外観が統一された街に紛れ込んだ奇妙な生き物だ。だが、最初からすべての人に愛されたわけではない。批判も数多く、なかでも思想家ジャン・ボードリヤール(Jean Baudrillard)などは、「ボブールのアレ」は途方もなく無意味だと言い切った。「大衆 – 文化的家畜 – は、自ら大衆文化を終焉させるだろう」とも言った。そういう視点から見れば、大衆は確かにポンピドゥー センターを貪っている。当初予想された入場者数は1日8,000人だったが、実際にはその5倍を上回り、建築後の20年で合計1億4,500万人を数えた。現在では、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞の審査団が指摘したように、エリート的かつ排他的であった従来の施設を「社会的、文化的な交流が行なわれる」大衆的な場所へ転換した点が、高く評価されている。そして21世紀の芸術施設には、大衆を惹きつける魅力があり、人々が集う民主的な場所であることが求められるようになった。

ジェスキエールが発表したLouis Vuitton秋コレクションには、そんな力強い変化が表れている。ランウェイには公共の空間独特のエネルギーが再現され、過去から現在まで、それぞれの時代のパリの街路に溢れた生命力を1着の衣服の形で表現したかのようだった。ボブール周辺にひしめくカフェに腰を下ろし、あらゆる類の人々に囲まれているときと同じように、観察すればするほど多くが見えてくる。幾重にも重ねたラッフル、ブーツや袖やスカーフやジャケットに惜しみなく使われたメタルのリング リベット、レザーのスカルキャップ、アニマル プリントにグリッターをあしらったファブリック、広いショルダーとオーバーサイズなバックルのベルト、原色、チェック柄、花模様、キルトのジャケット…。

ライウェイの舞台にも言えることだが、今回のコレクションの独創性は、場所そのものより巧みな演出の成果にあった。ベテランならではの幅広のショルダーとルースなボトムの組み合わせは、プロポーションで遊びを見せる。精密なレイヤードはコンポジションを引き立てる。どのスタイルにも、必ずウェストラインがある。クロップ丈のジャケットは視線を固定する。ジェスキエールが追究したのは絶対無二の個性ではなく、一度に多くになれる独立と自由だ。そして、どれひとつとして同じものはない。ジェスキエールが表現したのは、彼が言うところの「女性の多種多様なアイディンティティ」であり、その異質性を公共の空間で表現する自由だ。そこで私の頭に浮かぶのがソランジュ(Solange)の「Can I Hold the Mic (Interlude) 」。ダイアモンド(Diamond)プリンセスが車のバックシートで互いにインタビューしているサンプル付きだ。

I can't be a singular expression of myself
(私をたったひとつの方法で表現するなんて無理よ)

There's too many parts, too many spaces
(色んな部分や色んな場所が、たくさんあり過ぎるもの)

Louis Vuittonはポンピドゥーへショーを持ち込んだだけではない。さらに、ルーブルという世界最大の美術館へポンピドゥーを持ち込んだ。ルーブルの内部にポンピドゥーの一部のレプリカを建設し、文脈から切り離す手法でストリートライフを描き出した。ジェスキエールのとった行為には大きな意味がある。なぜなら、公共の場所は、私たちの生活が繰り広げられるだけでなく、いつの時代も文化がぶつかり合う前線だからだ。ただし注意してほしいのは、ポンピドゥー センターがオープンした当時と比べて、公共空間は大きく様変わりしたことだ。今では自由にエスカレーターで上り下りすることはできないし、武装した若い兵士たちが目を光らせる中、 広場に沿って長く伸びたセキュリティ審査の列を通過しないことには、入場もできない。兵士の存在そのものが、安全が幻想であることを思い知らせる。ジャーナリストのジェイン・ジェイコブズ(Jane Jacobs)が書いているように、「私たちは新しい建築に多くを期待し過ぎるし、自分たちに対しては期待が低すぎる」。ポンピドゥー センターとその周囲を囲む広場は、私たちについて回る葛藤を残酷なまでに映し出している。あらゆることが記録に残され、匿名性など神話でしかない。問題は、公共空間の性質というより、どんなプライバシー、ひいてはどんな社会性が残されているかだろう。人々の交流、出会い、微笑み、眼差しは、どうなるのだろうか?

Oana Stănescuは、ルーマニア出身の建築家。 ニューヨークで同名の設計スタジオを運営している

Alexander Calder

アレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)が1974年に制作したモビール彫刻「Horizontal」は、2012年にポンピドゥー センター前のボブール広場に設置された。「Horizontal」にはセンターと同じ原色が使われているし、ポンピドゥー センターは世界でも有数のカルダー コレクションを所蔵している。

Alma

LVから生まれた数々のバッグの中でも、「アルマ(Alma)」はもっとも人気のあるアイコン バッグに数えられる。最初は「スクワイア バッグ」と名付けられたが、パリ最大の広場のひとつ「アルマ広場」に因んで、改名された。

Archlight

LV2017年秋冬シーズンは、大ぶりなスニーカー「アークライト(Archlight)」がランウェイを支配し、2018年のはじめには店頭に並んでいた。インスピレーションの源は、バスケットボール スニーカー、90年代の父親たちの愛用スニーカー、そしておそらく『バック トゥ ザ フューチャー』。

Beaubourg

「それこそ、ニコラ・ジェスキエールがルーブルにボブール(Beaubourg)を再現した理由だ。パリの若者であった彼にとって、美術館も内包するポンピドゥー センター前の広場はボブールの文化やアートの象徴にほかならなかった。大道芸人、アーティスト、美術館へ通う芸術愛好家が集う場所であり、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)や山本耀司(Yohji Yamamoto)といったデザイナーを引き寄せた場所だ。ちなみに、ふたりのスタジオはこの近くにあったが、当時のボブール地区はまだ怪しげな場所とみなされていた。 パリの恥とされた場所が、かつては非難のまなざしを向けられた異質性ゆえに、現在は大きな価値を認められるようになった。だから、昔のことを覚えていない人のために、ジェスキエールは過去の姿を蘇らせた」

Books

LVの旅行本(Books)シリーズ『Fashion Eye』は、これまでにソウル、キューバ、ロサンゼルス、プラハ、ローマなどを紹介してきた。リー・クンウー(Li Kunwu)やマイルズ・ハイマン(Miles Hyman)など、著名アーティストのイラスト、回想、ちょっとした逸話が、各地の平凡な魅力を教えてくれる。必ずしもラグジュアリーに終始せず、例えば、光や午後の涼やかな日陰に視線を向けている。

Centre Pompidou

1970年代にリチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノが設計したポンピドゥー センター(Centre Pompidou)は、初期ハイテク建築の好例だ。「内側と外側を裏返した」ようなデザインで、修理や保全が必要な機能要素へのアクセスを容易にし、同時に多様な用途に使える内部空間を実現した最初の一例でもある。悪評だった原色の色彩設計は建物の構造要素を色分けしたもので、グリーンは水の流れ(配水管)、ブルーは空気の流れ(空調)、イエローは電気の流れ(電線)、レッドは人の流れ(階段、エスカレーター)と安全設備を示している。1970年代にリチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノが設計したポンピドゥー センター(Centre Pompidou)は、初期ハイテク建築の好例だ。「内側と外側を裏返した」ようなデザインで、修理や保全が必要な機能要素へのアクセスを容易にし、同時に多様な用途に使える内部空間を実現した最初の一例でもある。悪評だった原色の色彩設計は建物の構造要素を色分けしたもので、グリーンは水の流れ(配水管)、ブルーは空気の流れ(空調)、イエローは電気の流れ(電線)、レッドは人の流れ(階段、エスカレーター)と安全設備を示している。

Charlotte Perriand

高く評価された現代建築家シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand)の没後20年を記念して、LV財団はペリアンの業績を紹介する大規模な展示を開催予定。ル・コルビュジエ(Le Corbusier)やジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé)とも共に仕事をしたペリアンのデザインには時代に先駆けた明確なビジョンがあり、女性や自然の役割に関する現在の対話が始まる以前から、社会は優れたデザインによって高めうると主張していた。展示は、2019年10月2日から2020年2月24日まで、パリのLV財団で開催される。

Cindy Sherman

2014年、アーティストのシンディ・シャーマン(Cindy Sherman)はLVのモノグラムにちなんだカプセルコレクションを記念して – まさかのペットのコンゴウインコ「ミスター・フリーダ」にインスピレーションを授けられ – トランクを制作した。真鍮のハードウェアで仕上げたトランクには、お馴染みの頭文字がほとんど滑稽に配置され、マルチカラーの引き出しが沢山ある。これは、彼女自身のスタジオでイエロー、グリーン、ブルーに色分けしているファイル キャビネットから思いついたそうだ。LVとのコラボについて、「私にとってトランクはとてもパーソナルなもの」とシャーマンは語っている。「引き出しの全部に、私の手書きのラベルがついてるわ。『義眼』、『義歯』、『付け爪』、『付けまつげ』…もちろん、その代わりに下着やTシャツを入れたってかまわないのよ」

Collaboration

「マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)以前のLVは、あくまで革製品と旅行鞄のブランドであって、ウェアを手掛けたことは一度もなかった。ジェイコブスはパリへグランジを持ち込み、『コラボ(Collaboration)』を広めた」– レーチョ・オモンディ(Recho Omondi)]

Damier

1888年にデザインされた「ダミエ」は今やLVの代名詞であり、おそらくもっとも早期に行なわれた高級ブランド戦略のひとつだろう。

Diversity

多様性(Diversity)に関して、ジェスキエールは「ファッション業界は、そういう課題についてはっきりと考えを表明するべきだ。キャスティング ディレクターやモデル エージェンシーには、もっと頑張ってほしい…僕は僕なりに少しずつ改善しようとしているけど、まだまだ長い道のりだ」と、『Dazed』に語っている。

Drama

「有能なデザイナーを求めている空きポストが3件あった。2件はGivenchyとDiorのクチュリエ、そしてLVのアーティスティック ディレクター。LVは、従来の鞄とアクセサリーのビジネスから、新しくプレタポルテまで手を広げることに決めたばかりだった。ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)はLVのポストにジェイコブスを選んだ。しかし、片やゲイで、スニーカー姿で、ナイトクラブ好きで、気紛れなニューヨーカー、片や仕立ての良いスーツに身を固め、礼儀をわきまえ、LVブランドを運営するブルジョワなパリジャン軍団が一緒に仕事をするのだから、修羅場(Drama)がないほうが不思議だ」

Elevator

パリにあるル ドカンズ ホテルは、「旅することがアートであった」時代に想いを馳せて、エレベーター(Elevator)の内装にビンテージのLVスティーマー トランクを使っている。

Emma Chamberlain

800万人近いフォロワーを誇る18歳のユーチューブ ブロガー、エマ・チェンバレン(Emma Chamberlain)がパリで催されたLV2019年秋冬ショーに招待され、最前列の席を与えられた。「あんなにゾクゾクしたことは初めて。鳥肌が隣に坐ってる人にタッチしなかったのが不思議なほどよ」。『W』マガジン7月号のインタビューによると、「馬鹿げた当たり前すぎる感想に聞こえるかもしれないけど、あの経験のおかげで、私の第三の目、第三のファッションの目がぱっちり開眼したわ」

Empress

LVを愛顧した最初の顧客のひとりはナポレオン3世の皇后(Empress)、ウジェニー・ド・モンティジョだった。1854年、ルイ・ヴィトンは、皇后の荷造りおよび鞄製造業者として公式に指名された。

Es Devlin

エス・デブリン(Es Devlin)は、イギリス出身の著名な舞台デザイナー。レディー・ガガ(Lady Gaga)からカニエ・ウエスト(Kanye West)まで、さまざまなアーティストのためにショーのセットをデザインしてきたほか、LVの多くのウィメンズウェアのショーでも、ステージ デザインに参加している。依頼される大掛かりな仕事を、デブリンは「期待された成果を出す『実践的な立体作品』、というか、むしろ徹底した目的と極度のインパクトを持つアート」と例えている。

Final Fantasy

LV2016年春夏シーズンには、『ファイナル・ファンタジー(Final Fantasy)』のヒロインである 「ライトニング」が、キャンペーンの顔に選ばれた。「国際的で英雄的な女性にとっても、ソーシャルネットワークやコミュニケーションがシームレスに現実の生活に溶け込んだ現代社会にとっても、ライトニングは申し分のないアバターだ。新たな画像処理の象徴でもある。どうすれば、従来の写真やデザインの原則を超えるイメージが作れると思う? ライトニングは、表現における新たな時代の到来を告げる存在だよ」

Flat-Top

LVのシグネチャとなったコンパクトなトランクは、上部がフラット(Flat-Top)だった。LVは、嘘偽りなく「積み重ねられる」デザインを考案した。

Frank Gehry

「財団の敷地は、ブローニュの森とアクリマタシオン庭園に挟まれた場所にあるんだ。そこを訪れた週は、ちょうど、マルセル・プルースト(Marcel Proust)の作品にハマっていた。プルーストには、人生の時期によって、すごくのめり込んだり、興味がなくなったりするんだけど、『失われた時を求めて』は、何でも読み返したくなる一冊だ」。フランク・ゲーリー(Frank Gehry)は、Louis VuittonのCEOベルナール・アルノーと、LV財団の敷地を初めて訪れたときのことを回顧し、「そこを訪問した時、涙が込みあげてきた。ここが彼にとって、とても思い入れのある場所で、何か特別なことをやってみたいと思っているのがわかったからだ」と語っている。

Fun Palace

劇場監督ジョアン・リトルウッド(Joan Littlewood)と建築家セドリック・プライス(Cedric Price)は、1961年、「ファン パレス(Fun Palace)」の構想を発表した。徹底した「娯楽のラボラトリー」を建築しようというものだ。実現することはなかったが、ふたりのコンセプトは大きな影響を及ぼし、ロジャースとレンゾ・ピアノがポンピドゥー センターを設計するときのインスピレーションとなった。

Funeral

クリエイティブ ディレクターになる以前、Balenciagaでのキャリアの初期に、ジェスキエールは喪服(Funeral)をデザインしたことがある。日本市場限定だった。

Furniture

LVが最初の「オブジェ ノマド」コレクション を発表したのは2012年。その後、世界中の著名なデザイナーとコラボレーションを組み、旅から着想したオブジェや家具(Furniture)のシリーズへと発展した。日本円にして8桁のソファが予算外なら、このページを利用しよう。携帯を使って、自宅にオブジェ ノマドを置いた拡張現実を体験させてくれる。

Gaultier

僕は自分に誓ったんだ – 18歳の誕生日がやって来るまでに、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)のもとで働く。そして、その通りになった」と、ジェスキエールは『Vanity Fair』に語っている。ゴルチエで過ごした見習い期間は1990~1992年。

Ghost in the Shell

LV2017年秋冬ショーのサウンドトラックには、川井憲次作曲の『攻殻機動隊(Ghost in the Shell)』が使われた。

Grace Coddington

あなたはイヌ派? それともネコ派? 性格診断によく使われる質問だが、グレース・コディントン(Grace Coddington)は「動物派」を自認している。しかし、イヌ好きのジェスキエールとコラボした「キャットグラム」を見る限り、コディントンのハートは明らかにネコに傾いている。コレクションには、コディントンが飼っている「パンプキン」と「ブランケット」によく似たネコ模様のパジャマとバッグがある。

Graffiti

「マーク・ジェイコブスと、スティーブン・スプラウス(Stephen Sprouse)、そしてLouis Vuitton。この出会いの物語は90年代後半、かつてモナ リザにちょび髭とあご髭をつけてみせたフランスのアーティスト、マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)が、ジェイコブスの頭に思い浮かんだときに始まった」。LVはスプラウスが1987年に制作したグラフィティ(Graffiti)プリントを採用し、2001年にハンドバッグ、シューズ、スカーフを発売して、即座に完売。ジェイコブスが2008年に『Harper’s』で説明 したところによると、「要は、崇拝の的になっている有名なものを汚して、別のもの、いくらか反逆的な一種のパンクに作り変えることだ」

Handbag

ハンドバッグ(Handbag)は、憧憬と切望の的になった。今や、デザイナー バッグは1か月の家賃が相場の時代だ…90年代、競合するファッション ブランドはデザイナー ハンドバッグのトレンドをキャッチしようと躍起になり、21世紀のバッグ戦争へとなだれ込んだ。その結果、 Gucci、Louis Vuitton、Diorといったブランドが華々しい復活を飾ることになった」

Heritage

「象徴にせよテキストにせよ、ロゴは文章として成立している。私たちは、その読み方を学ぶ。ロゴの源は、多くの場合、家族に伝わる(Heritage)教えや何らかの創作だ。例えば、Louis Vuitton、Hermès、Cartierなど、腕のいい王室の御用達職人が18~19世紀に作った高級ブランドは、以後何世紀にもわたって、ロゴ自体に意味合いを累積してきた。これらのブランドにとって、ロゴは家紋の『ような』ものではなく、まさに家紋そのものである」

Hito Steyerl

「どのシーズンも、ネイルペイントには宗教的なまでの忠誠と情熱が注がれ、姿を消すことはないだろう。特にLouis Vuittonのロゴ」。ヒト・シュタイエル(Hito Steyerl)著『Duty Free Art: Art in the Age of Planetary Civil War』(2019年)より。

Horror

電話の向こうで、「なぜか、僕はいつも怖いもの(Horror)に惹かれる」とジェスキエールは言う。「好奇心と誘惑のせめぎ合いがたまらない」

Icon

ルイ・ヴィトンは1854年にブランドを創設した。息子のジョルジュ・ヴィトン(Georges Vuitton)は、亡き父に敬意を表して、1896年にモノグラム「LV」を創作した。そして、ひとつのアイコン(Icon)が誕生した。

Image

マート&マーカス(Mert & Marcus)、ヘンリー・クラーク(Henry Clarke)、アニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)、ピーター・リンドバーグ(Peter Lindbergh)、クレイグ・マクディーン(Craig McDean)、スティーヴン・マイゼル(Steven Meisel)、ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)、ユルゲン・テラー(Juergen Teller)、イネス&ヴィノード(Inez & Vinoodh)、コリエ・ショア(Collier Schorr)。LVは、世界の名だたる写真家(Image)たちとコラボレーションをしてきた。

Impression, Sunrise

一説によると、LVを設立したルイ・ヴィトンは、クロード・モネ(Claude Monet)の『印象・日の出(Impression, Sunrise)』に最初に目を留めたひとりであったらしい。この絵のタイトルから「印象派」の呼称が生まれた。

Jaden Smith

2016年春夏ウィメンズウェア キャンペーンの顔にジェイデン・スミス(Jaden Smith)を起用したことについて、ジェスキエールはこう述べている。「[ジェイデン] は、真の自由のあり方を吸収して育った世代の象徴だ。マニフェストとかジェンダーに関する提起に、思い悩むことがまったくない。スカートを履くことに何の抵抗もない。その昔、男物のトレンチやタキシードを着ることに決めた女性と同じだ」

Jenga

今年の夏、モノグラムをあしらったプレキシガラス製のジェンガ(Jenga)がLVから発売された。小売価格 ¥346,680。

JFK

LVの2020年リゾートコレクション ショーは、エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)が設計したニューヨークのケネディ空港(JFK)のT.W.Aターミナルで開催された。「1962年にオープンした同ターミナルは重要な建築物であり、完成するやいなや大空へ飛び立つ夢のシンボルとなったが、2001年に閉鎖されてからはほとんど人目に触れることがなかった」と、 『New York Times』は書いている。「ジェット機時代のグランド セントラル駅」とも呼ばれたT.W.Aターミナルは、1994年、ニューヨーク市歴史建造物に指定された。

Knockoffs

2000年代の初めに、絶対に見間違えようのない七色のモノグラムで登場したMurakami x Louis Vuitton ファニー パックについて、スタイリスト兼ビンテージ コレクターのガブリエル・ヘルド(Gabriel Held)は「ひとつ欲しいとずっと思ってるんだけど、結局、情けないコピー商品(Knockoffs)しか持ってない」。すでに生産が中止されているオリジナルのプリントは、ハンドバッグの歴史のなかでもっとも数多くのコピーが出回った「マスト」なアイテムだ。

Labyrinth

「LVのファッションが生まれる心臓部は、2つの部分に分かれている。今僕たちがいる4階と、ファブリックの選定の他、ありとあらゆることをやる2階のワークショップ。2階は本物の迷路(Labyrinth)、まさにLVの世界だよ。最初の何か月かはずいぶん迷子になったもんだけど、LVではそれが当たり前のことらしい。最初は迷う。全員がパスを携帯してて、パスがないとどこへも移動できないし、部屋から出られなくなったり、通路に閉じ込められたりする」

Lock

1886年、ジョルジュ・ヴィトンは、「こじ開けられない」錠前を設計した。脱出王として知られた奇術師、ハリー・フーディーニが、公開パフォーマンスで、LVの錠前がかけられた箱からの脱出に失敗したことで、その効果が証明された。

Logos

「『ロゴ(Logo)がファッションの絶頂に達した時期があって、その後、少しずつストリートウェアへ流れ落ちていった』と、 ガブリエル・ヘルドは言う。『特定の時期というより、むしろ着る人のタイプの問題だね。いつの時代にも必ず、ロゴには熱心なファンがいるから。人気が衰えたときに敢えてロゴを着るのって、一種の反逆精神だと思うな』」

Marie-Amélie Sauvé

20年の長きにわたってジェスキエールの右腕となってきたマリ=アメリー・ソーヴェ(Marie-Amélie Sauveé)は、ミューズであり、側近であり、本物のマルチ人間だ。『Mastermind Magazine』では、スタイリスト、コンサルタント、クリエイティブ兼エディトリアル ディレクターをこなす。まさに、LVが思い描く女性の化身と言えるだろう。若くしてフランス版『Vogue』でキャリアをスタートし、19歳のときには、『Vanity Fair』の表紙撮影でアニー・リーボヴィッツのアシスタントを務めたこともある。「フランスの女の子なら誰でもそうだけど、ファッションは生活の一部だったわ」と、ソーヴェは『Business of Fashion』に語っている。「パリでは、美術館へ行って、美しい建築に囲まれて、美味しいワインを飲む。それと同じように、ファッションと一緒に育つの」

Murakami

2003年春夏シーズンに向けて、LVは日本人アーティストの村上(Murakami)隆をアクセサリー部門のコラボ パートナーに選んだが、それが「イット バッグ」史上稀に見るインパクトをもたらす結果になるとは知る由もなかった。村上が最初に手掛けたマルチカラーのモノグラムのデザインは2000年代初期のファッションを方向付け、その後、「チェリー(Cerises)」、「チェリー ブロッサム(Cherry Blossom)」、「モノグラモフラージュ(Monogramoflague)」といったデザインが続いた。

Marc Jacobs

1997年にマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs) をアーティスティック ディレクターとして迎えるまで、LVにはアパレル分野での経験が皆無だった。「トレンドという意味では、ジェイコブスはファッショナブルであることにまったく関心を示さなかった。彼は、大仰な主張や表現を嫌い、美しいもの、時代を超越するもの、高価なものを追求する」

Mime

2019年秋冬コレクションは「広場」がモチーフ。「広場」の形状は、文化が交わり合う空間であると同時に、 古来パントマイム(Mime)役者が着用したひし形模様のハーレクイン衣装にも通じる。

Nicolas Ghesquière

Balenciagaに新風を吹き込んで大きな成功を収めたニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)は、2013年、LVウィメンズ コレクションのアーティスティック ディレクターに任命された。

Noé

「ノエ(Noé)」バケット バッグは、1932年、シャンペンのボトルを持ち運ぶためにデザインされたバッグがそもそもの始まり。

Nose

LMVHのマスター・パフューマーであるジャック・キャヴァリエ=ベルトリュード(Jacques Cavallier Belletrud)が生まれたのは、何世紀にもわたりパフュームの製造で知られる、別名「パフュームの都」ことフランスの街グラース。父、そして祖父も調香師で、キャヴァリエ=ベルトリュード自身も、10歳からパフューム工場で経験を積んできた。

OLED

2020年「クルーズ(Cruise)」コレクションで、LVは「Canvas of the Future – 未来を描くキャンバス」バッグの原型を発表した。1,920 × 1,440解像度のタッチスクリーン式OLEDモニターを搭載した新デザインは、ラグジュアリー ファッションとテクノロジーの融合を示す好例だ。

Orange

2016年、LVは長年にわたり高級パッケージとしてお馴染みだったブラウンに別れを告げ、「インペリアル サフラン」と名付けた明るく軽やかな色調のオレンジ(Orange)へと移行した。「旅の黄金時代」を象徴するために選ばれた「インペリアル サフラン」は、今やステータス シンボルを示すカラーだ。

People-Watching

「カフェに腰を下ろしてのんびり通りを眺め、通り過ぎる人を観察する(People-Watching)が、どんなものだったか。携帯を眺めて長い時間を過ごす今だからこそ、それを思い出すことが大切だ。同じ空間に、入れ替わり立ち代わり、さまざまなキャラクターが現れる」─ ニコラ・ジェスキエール

Perfume

「サン ソング(Sun Song)」、「カクタス ガーデン(Cactus Garden)」、「アフタヌーン スイム(Afternoon Swim)」。LVの最新サマー フレグランス コレクションは、いずれも心地よいひとときを表現した、ユニセックスのコロンタイプのパフューム(Perfume)だ。調香師のジャック・キャヴァリエ・ベルトリュードは、原材料の芳香属性を熟知しているが、彼が最大の成功を収めたパフュームの多くには、瑞々しいメロンの香りを放つ合成分子「メチルベンゾジオキシエピノン」、別名「カロン1951」、別名「ウォーターメロン ケトン」が調合されている。

Prize

才能ある新進デザイナーの育成と支援を目的とするLVMH ヤング ファッション デザイナー プライズ(Prize)は、2013年11月、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)によって創設された。受賞者にとって非常に貴重な経歴となるのはもちろんだが、それ以外にも、30万ユーロの賞金と1年間にわたる支援が与えられる。審査員団には、ニコラ・ジェスキエール、マーク・ジェイコブス、カール・ラガーフェルド、ウンベルト・レオン(Humberto Leon)、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)、ラフ・シモンズ(Raf Simons)、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)といったファッション界の重鎮が顔を並べる。過去の受賞者は、マルケス・アルメイダ(Marques Almeida)、グレース・ウェールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)、マリーン・セール(Marine Serre)、ダブレットなど。

Quiet

伝えられるところによれば、自らと同名のブランドを立ち上げた数年後の1859年、ルイ・ヴィトンはあえて、閑静な(Quiet)町アニエールに作業場を構えたという。しかしそれは、戦略的な選択だった。アニエールはセーヌ河岸にあり、LVの贅沢なトランクに使用するポプラ材の水上輸送に好都合だったからだ。LVの前哨基地ともいえる作業場は、パリの店舗から1時間の距離だった。

Rei Kawakubo

有名な「セレブレーティング モノグラム(Celebrating Monogram)」コレクションに参加したComme Des Garçonsの川久保玲(Rei Kawakubo)は、LVのシグネチャである「サック プラ」バッグに大きな焼け焦げの穴を開けたデザインを制作した。

Rihanna

リアーナ(Rihanna)は、プライベートでさえ、誰よりも注目を集める。例えば、飛行機で移動した後のカジュアルなスタイルは、超レアなレインボー モノグラムのトランクで完璧にキマりだ。

Robyn

ロビン(Robyn)は2018年にカムバック アルバム『Honey』を発表したが、最後に収録されている「Ever Again」のミュージック ビデオは、特注のLVコスチュームで撮影されている。アクセル・ローズ(Axl Rose)やプリンス(Prince)といった音楽界のヒーローを参考にした軽やかになびくシルクのブラウスのほか、ギリシャ風の彫刻と10トンの砂を使ったセットで、ジェスキエールはセンシュアルな歌をビジュアルに表現した。ちなみにたっぷりとしたブラウスは、ロビンがゆっくりと脱ぎ捨てていくのにうってつけのデザインだ。

Rue Neuve des Capucines

LVの最初の店舗がオープンしたのは、ヌ―ヴ デ カピュシーヌ街(Rue Neuve des Capucines)1854番地だった。

Sophie Turner’s Wedding Dress

『ゲーム オブ スローンズ』でデビューし、一躍有名になった女優ソフィー・ターナー(Sophie Turner)。人生最大のロマンティックなセレモニーのために、彼女がジェスキエールがデザインしたウェディングドレス(Wedding Dress)を選んだのは、必然の成り行きだった。「女性に対する彼の視点が好きなの」と言うターナーは、2019年のMETガラにも、LVのシークインをほどこしたキャットスーツで出席した。

Speedy

「キーポル(Keepall)」の小型バージョンとして1930年に登場した「スピーディ(Speedy)」は、最初「エクスプレス(Express)」という名前だった。LVの代表的な素材として今やアイコンとなった「モノグラム キャンバス」とナチュラル カラーのカウハイドを使用した、初のモデルだ。おそらく、もっとも有名なファンはオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)だろう。普段使いできるように、旅行バッグ「スピーディ」のさらに小さいものを作ってほしいと彼女がスペシャル オーダーして生まれたのが、「スピーディ 25(Speedy 25)」だ。

Sports

1998年にフランスで開催されたワールド カップを記念して、LVはモノグラム キャンバスのサッカー ボールを作った。2020年春夏メンズウェア コレクションでは、スペインのサッカー選手エクトル・ベジェリン(Hector Bellerin)がランウェイを歩き、伝統を誇るLVのインスピレーションの源泉として、スポーツ(Sports)は不動の位置付けを確かなものにした。LVのウェブサイトでは、現在、LV バレーボールを販売中。キャリー バッグ付きだから、実用性はともかく、スポーツとファッションを合体させたい人にはぴったりだ。

Supreme

キム・ジョーンズ(Kim Jones)は、2011年にLVメンズ コレクションのアーティスティック ディレクターに就任し、「メンズウェアの救世主」と呼ばれたデザイナーだ。その彼が2017年秋冬シーズンにニューヨークの有名なスケート ブランドSupremeとコラボを敢行したことで、ストリートウェアは確実にラグジュアリー ファッションの仲間入りを果たし、1年後にはOff-Whiteのクリエイティブ ディレクター、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)を迎える下地が整った。

Tech

今年の初めにLVは「ホライズン(Horizon)」コレクションを発表し、モノグラムをほどこしたワイヤレス イヤフォンや「タンブール(Tambour)」スマート ウォッチなどで、テック(Tech)分野へ乗り出した

Trains

2012年秋冬シーズン ショーの幕開けに、当時のクリエイティブ ディレクターであったマーク・ジェイコブスは思いもかけないモデルを起用した。ランウェイに現れたのは、「ルイ ヴィトン特急」列車(Trains)だった。

UGC

バッグを椅子の背もたれや座席のクッションに使う、三つ編みの仕上げに「LV」のモノグラムを使う…用途はさまざまだが、ソーシャル メディアのビジュアルはLV無しには立ち行かない。1日24時間絶え間なくインスピレーションを追い続ける21世紀のサイト「Inspo」には、モノグラムをグリルしたトーストやモノグラムを彫り込んだバナナまで、ユーザーによる投稿(UGC)が、されている。

Vintage

噂によると、今年の5月、カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)は5万ドル以上を投じて、ビンテージ(Vintage)のLV バム バッグを2つ手に入れたらしい。ひとつはミンクにマルチカラーのモノグラムがある村上のデザイン、もうひとつは1996年のヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)コラボ作品。2000年代の「イット バッグ」は、今や垂涎のコレクターズ アイテムだ。

Vivienne the Mascot

「ヴィヴィエンヌ(Vivienne the Mascot)」は、2018年に誕生したLVの愛らしいマスコット キャラクター。頭部は花の形、両腕は荷札という姿に小さな足があり、片方の目の上にLVのフラワー モチーフのアイ パッチをつけている。

Watercolor

アメリカの画家・写真家リチャード・プリンス(Richard Prince)とのコラボが初めて登場した2008年春夏ショーでは、彼の『ナース』シリーズに敬意を表して、モデルはいずれも看護婦姿だった。手にしたバッグには同じく彼の「ジョーク」シリーズのテキストがプリントされていたが、ピンク、パープル、イエローなど、柔らかな水彩(Watercolor)風のモノグラム プリントは絵画のような印象。バッグのひとつひとつに、プリンスがロゴを手書きしたのかと思わせる。ちなみに、プリンスの『看護婦』シリーズは、ニューヨーク出身のバンド「ソニック ユース」によるアルバム『ソニックナース』 のアルバムカバーでご存知の人も多いだろう。

Wes Anderson

映画監督ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)は、2008年作品『ダージリン急行』で使うトランクを、LVと共同でデザインした。

Willow Smith

パリで開かれたLV2019年秋冬ショーへやって来たウィロー・スミス(Willow Smith)は、ブラックとゴールドのサイハイの「アークライト(Archlight)」、ホワイトのウィング スリーブのTシャツ ドレス、細いゴールドのベルトというファッションを、とても自然に着こなしていた。アイシャドーはTシャツのプリントと同じ色合いのブルーで、未来からひらひらと飛んできた蝶のような雰囲気だ。ほかにも理由はたくさんあるが、このときのスタイルひとつをとっても、 彼女がLVの究極のミューズであることは間違いない。

X

9月15日までロサンゼルスで開催中の「Louis Vuitton X展」は、世界の著名アーティストとコラボを重ねてきたほぼ2世紀にわたるLVの歴史を、アーカイブから選ばれた180点で紹介する。会場:468 North Rodeo Drive, Beverly Hills。

Xavier Dolan

2015年秋冬キャンペーンに、LVはフランス系カナダ人の早熟な映画監督グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)を起用し、アラスデア・マクレラン(Alasdair McLellan)が撮り下ろした。「僕は子供の頃から有名なブランドの顔になるのが夢だった。他の子どもたちは宇宙飛行士に憧れてたけどね」と、ドランは『Dazed』のインタビューで語っている。

Yayoi Kusama

83歳の日本人アーティスト草間彌生(Yayoi Kusama)は、水玉模様に埋め尽くされた世界を作り出し、連続性と強迫観念を探る大掛かりなインスタレーションで有名だ。2012年のコラボでは、一連のLVのアイテムにお馴染みの水玉模様が炸裂した。

Zaha Hadid

伝説の建築家ザハ・ハディド(Zaha Hadid)が2006年にLVのクラシックなバケット バッグをリメイクしたことはほとんど知られていないが、現在は、LVのアーカイブの貴重な一部となっている。人間工学の見地からデザインされた「アイコン(Icone) ショルダー バッグは、まさしく唯一無二の持ち運べる彫刻だ。

Zodiac

1821年8月4日生まれのルイ・ヴィトンの星座(Zodiac)は、しし座だった。

  • 文: Oana Stănescu & SSENSEエディトリアル チーム
  • アートワーク: Sally Thurer
  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: August 30, 2019