碧色の楽園、ハワイへ

「ハワイは楽園などではない」。フォトグラファーのブレンダン・ジョージ・コー(Brendan George Ko)は、ハワイの島々を記録する10年来のプロジェクトの中で、こう書く。「ハワイが見せるのは、現実世界からの理想的な逃避のようなものではない。むしろ、その真逆だ」。ハワイ諸島で生まれたスタイルは、ただ伝統のハワイアン シャツを着るにとどまらない。サーフィン誕生の地であるハワイには、世界中でトレンドになる遥か以前、数十年も前から、人気のサーフィンやスケートボード、ストリートウェア シーンが存在してきた。コーは、ハワイ育ちのスタイリストのテイラー・オカタ(Taylor Okata)とともに、才能あふれる3人のハワイの若者を捉えた。彼らは、Loewe、Gucci、Prada、JW Andersonに身を包み、オアフ島のお気に入りのビーチへ向かう。

ハア・ケアウラナ(Ha’a Keaulana)は、プロサーファー兼フォトグラファーで、伝説のサーファー、バッファロー・ケアウラナ(Buffalo Keaulana)の孫娘。リンジー・ヒガ(Lindsey Higa)は有名スタイリスト。フランク・オーシャン(Frank Ocean)やトム・サックス(Tom Sachs)とも親しいエヴァン・モック(Evan Mock)は、スケートボーダー兼モデルだ。そろそろ、これまで陰に隠れていたハワイアン スタイルにしかるべき評価を与える時だろう。