Gucci Gangの放課後

映画『勝手にしやがれ』を見たことがあろうがなかろうが、目尻のはね上がったアイラインにストライプのトップス、きゃしゃで、ボーイッシュな髪型というジーン・セバーグ(Jean Seberg)のスタイルこそが、「フレンチガール」の模範だという点に異論はないだろう。たとえ彼女がパリのアメリカ人だったとしても。このパリジェンヌ スタイルのステレオタイプは、1960年代のフランスのヌーヴェルヴァーグと共に登場し、当時の若手女優の知名度に比例して、知られるようになった。以来、長らく不動の地位を誇ってきた。このスタイルは、主にジャン＝リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)の作品によって人気に火がつき、スクリーン上の数々のミューズの力を借りて、人々を魅了した。『軽蔑』のブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)や『気狂いピエロ』のアンナ・カリーナ(Anna Karina)を思い出せばいい。かき乱した髪にタバコ、そしてキャットアイラインなど、どれもクラッシックなスタイルに共通するものだ。だが、今この「フレンチガール」の解釈に変化が起きている。Gucci Gangが良い例だ。Gucci Gangは、クリスタル・ミュレー(Crystal Murray)、アンジェリーナ・ワース(Angelina Woreth)、アナベル・フェレラ(Annabelle Ferrera)、タイ・ クラピッシュ(Thaïs Klapisch)から成るグループだ。パリに住むこの10代の4人組が、時代に取り残されつつある従来の「フレンチガール」の定義の幅を押し広げている。それがあまりに大胆なので、最近注目のデニムブランドMiaouの目に止まり、Gucci Gangは、トラビス・スコット(Travis Scott)とともに最新ビデオ キャンペーンへの出演が決まった。

写真家のハンナ・サイダー(Hannah Sider)が、あるパリの午後、このガールズ集団を追いかけ、彼女たちの放課後の様子をカメラに収めた。学校の宿題に追われながらも、スタイリストのサバンナ・ホワイト(Savannah White)と共に、それぞれにいちばん似合うスタイルを見つける。