JW アンダーソン企画
「Disobedient Bodies」展

ヘップワース ウェイクフィールド美術館の展示を理解する

  • 動画: Angelo Dominic Sesto and Thomas Jeppe
  • 文: Thomas Jeppe

ジョナサン・アンダーソンは1984年生まれ。 JW AndersonLoeweのクリエイティブ ディレクターとして、ファッション界有名人の仲間入りを果たしたのは、近年のことである。慎重に因習を打破するアンダーソンの世界に、当然なものは何ひとつとして存在しない。

アンダーソンの作品は、ジェンダーの役割からマテリアルの機能に至るまで、構造のあらゆるフォルムに一貫して疑問の眼差しを向け、従来の表現を冷徹に見直して、テキスタイル技術の最先端と組み合わせる。常に予想を裏切って、伝統の賛美と粉砕の両方を同時に表現する。

この宇宙の中心には、常に、身体が存在する。身体とは何か、身体は何を成す「べき」か、身体はどのようにコーディングされ、どのようにして解放されるか。アンダーソンのファッションにおける基盤、そしてモダニストのアートや造形に対する情熱を評価したヘップワース ウェイクフィールド美術館は、1世紀を超える100点以上の作品で構成される「Disobedient Bodies」展のキュレーションをアンダーソンに依頼した。

ファッション デザイナーからキュレーターに転じたアンダーソンの鋭敏な感覚は、広範で多様なオブジェ間に相似を見出す。Helmut Langの還元的でフェティッシュなハーネスが、ジャコメッティ(Giacometti)作 「立つ女」の細長く痩せ衰えた像を見下ろす。Comme des Garcons 2Dコレクションの平坦な切り抜きが、ナウム・ガボ(Gabo)作「頭部」の交差する面と向き合う。休息の姿勢に置かれたJean-Paul Gaultierの「マドンナ」ドレスが、ヘンリー・ムーア(Henry Moore)作「横たわる像」の金色の曲線と反響する。会場のあちこちに配置されたJ.W. AndersonとLoeweの作品は、アンダーソンに訴求するインスピレーションの系譜、すなわち人体というフォルムを誇張して逸脱させてきた歴史に、それらの作品が連なることを形として明示している。

ショーの準備を記録したこのドキュメンタリーは、「Disobedient Bodies」展の舞台裏を垣間見せてくれる。風景映画のコンセプトに従って、アート作品、衣服、デザインは考察され、拡大され、そして表層的なものから全面的環境へと変えられた。オープニングの前日に行われたインタビューから、ジョナサン・アンダーソンの人間像、プロセス、選ばれた作品の意義、そしてアンダーソン自身の省察が明らかになる。

  • 動画: Angelo Dominic Sesto and Thomas Jeppe
  • 文: Thomas Jeppe