Gucciの季節めぐり

柔らかな日差しが降り注ぐマヨルカ島の農場で

  • 写真: Vanina Sorrenti
  • スタイリング: Julie Ragolia

この記事は、年2回刊行のSSENSEマガジン第3号に掲載されています。

自然界にめぐり来る季節と異なり、ファッション界のサイクルは理解できない論理で回る。だがアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は2021年に向けた「Epilogue」コレクションの発表後、ファッション界のシーズンを離れ、もっとゆったりした流れに変えると宣言した。そして従来のファッション暦とは無関係に年2回のショーを行なう、いわばGucci暦を採用し、季節のウェアへ新たなアプローチを図る。

写真はヴァニーナ・ソレンティ(Vanina Sorrenti)、スタイリングはジュリー・ラゴリア(Julie Ragolia)、場所はマヨルカ島で制作されたエディトリアルでは、琥珀のように滑らかでしなやかなオレンジ色の光りが屈折し、秋と冬の終焉、その後に必ず訪れる春の再誕を待ち望む。

マヨルカ島の青空へ伸びた糸杉の木陰の下で、ニワトリが餌をついばむ。暖かい午後のそよ風がハンモックを揺らす。輝く白光の夏は次第に陰り、10月の雨へ、冬の嵐へと場を譲る。アーモンドの実は収穫され、8月の終わりには、木質の殻から取り出したクリームみたいなホワイトの実りがバスケットに溢れる。11月はオレンジを摘む時だ。先ずナベリーナ オレンジ、その後はネーブル オレンジ。マヨルカの地は惜しみなく与える。

モデル着用アイテム:フーディ(Gucci)

  • 写真: Vanina Sorrenti
  • スタイリング: Julie Ragolia
  • 写真アシスタント: Dusan Szokolovics
  • スタイリング アシスタント: Victoria Perez
  • ヘア & メイク: Tess Alamillo
  • モデル: Aminata Diao / River Agency、Nina Alonso
  • 制作: The Blondes Pool
  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: December 14, 2020