クイーンズの流行の仕掛け人たち

ニューヨーク、クイーンズ地区で最も熱い11人のインフルエンサーを一挙紹介

  • 文: TORSO
  • 写真: TORSO

今回取り上げるのは、ニューヨークのクイーンズ地区からソーシャルメディアを賑わしている、今が旬の世代を超えたインフルエンサーたちだ。10代のテクノロジー嫌い、世界最古のファッションリーダー、誰よりもファッションに敏感な建設業者など、マンハッタン郊外で活躍する2018年に最も注目すべき11人を一挙紹介しよう。

エディー(18歳)

かの有名な「ユートピア・パークウェイ」出身の大学1年生、エディは、若者主導のグローバルな環境運動で第一線に立つオピニオン リーダーだ。エコ活動家で、熱心なアウトドア ファン、レコーディング アーティスト、そして自称サバイバリスト。だが根底にある悲観主義のために、彼の哲学に過激さはない。「僕は最悪の状況に備えてるんだ」。最新アルバム『Break Free or Die Trying』のリリースに先駆け、エディは包括的前世療法を体験した。「僕は前世ではカウボーイだったんだ。今の僕は、一度も牛を見たことのないカウボーイさ」

メカラ(19歳)

新進の知識人で小説家でもあるメカラは、深い歴史的リアリズムに根ざしたエロティックSF文学を書いている。ミドル ビレッジ出身で、子供時代はシンクロ競技に情熱を傾けたが、いつしか関心は中間次元のファンタジーにとって代わった。彼女の大胆な自己療法的な散文は、今人気のオゾンパークの文学サークルで一気に名を知らしめ、すぐに他の場所でも知られるようになった。

イマ & イサ(20歳)

シエラレオネ系アメリカ人の双子、イマとイサは自分たちの才能に磨きをかけ、キューガーデンのキッズ ビューティーコンテストのステージで火花を散らしてきた。現在、双子はそれぞれの夢を追って自分の道を歩み始め、イマは駆け出しのステージ女優、イサは舞踏のダンサーとして各地を回っている。だが、ふたりが共同運営する、流行に敏感なスタイリングを中心としたInstagramアカウントについては、今も互いに情熱を傾け続けている。

カイェラ(22歳)

パーティーのオーガナイザーでありパーソナル ショッパー、特別イベントのパーティー プランナーでもあるカイェラは、常に引く手あまたで、いつでも電話中だ。だから、彼女がGoogle Pixelを手にしていない僅かな時間に捕まえられてラッキーだった。この携帯は彼女の左手と融合しており、スピーカーフォンが拡張されている。ハングアウトでのミーティングの合間に、「私はずっとビジネスウーマンとしてやってきたの」とカイェラが冗談ぽく言う。昨年、彼女はインフルエンスできていなかったという理由で訴えられ、この事件を機に、インフルエンサー稼業から引退することを宣言した。しかし、この短期間の活動中止期間によって逆にフォロワーの数が増加。再びインフルエンサーの座に返り咲いたカイェラは、かつてないほどの影響力を誇っている。

ルー(年齢不詳)

ルーはアストリアを拠点にしている隠居で、あり余る時間を使い、人気上昇中の世代を超えたインフルエンサー業に勤しんでいる。ルーの孫がSnapchatを彼の携帯電話にダウンロードして以来、不器用ながら、このメディアを色々と試し、ついには、自分でホバーボードに乗って初めてリトルネック湾に向かう短い動画が一躍バイラルになるまでになった。現在、ルーにはストリートウェアのギフトやプロモーションのチャンスが押し寄せており、インフルエンサー マーケティングというセカンド キャリアで、隠居仲間たちの度肝を抜いている。

リナ(18歳)

リナは南ロシアで生まれ、クイーンズにいる家族に養子として引き取られた。子どもの頃は中国語とハルハ語の両方を話して育ち、その後、英語、広東語、スペイン語、ロシア語、イタリア語、フランス語、ギリシャ語、タガログ語をマスターした。彼女はパプアニューギニアのブーゲンビル島で話されるロトカス語の研究者であり、また架空の言語であるクリンゴン語とそこからの派生言語の研究も行っている。リナをソーシャルメディアでフォローすれば、本格派『スタートレック』ファンのコンテンツが見られる。彼女が言語の専門的技能を駆使して、惑星間を旅する夢を実現する様子は必見だ。

バイブ(16歳)

小学校に通うには頭が良すぎたため、バイブは11歳で高校に入学した。そして、インフルエンサーでありながら、ソーシャルメディアをやるには頭が良すぎた。「何もかもが晒されて、謎なんてもうありはしない。だから、自分に関する一切の情報とイメージを公開しないようにしてる。皆がInstagramと呼ぶリアリティ番組に出演するなんてゴメンだね」。引きこもりがちでテクノロジー嫌いにも関わらず、私たちがバイブを見つけることができたのは、バイブの口コミ マーケティングの才能のためだ。今日のセルフィー中心の風潮の中で、類い稀なスキルといえる。

Amanda 着用アイテム:ジャケット(Y/Project)

アマンダ(22歳)

イット ガール ジューサーのアマンダが縄張りとしているのは、コロナ、ジャクソン ハイツ、エルムハーストなどだ。ルーズベルト アベニューにある彼女のジュース スタンドが、2年連続で地域のベスト ジュース賞を獲得すると、一躍地元の有名人となった。定番の「サイコ ココ キャロット キャロブ」ミックス ジュースを作っていないときは、アマンダはフリーランスのファッション伝道師や、コロナ ブルヘリア ユースセンターのソーシャル占いアンバサダーを務めている。

ジグメ(17歳)

野心的なブー ポップス(ブータンのポップス)のスターであるジグメは、10歳のときからアジア全土でモデルを行なっており、昨年、クイーンにやってきた。16歳になった今、その飽くなき野望はとどまるところを知らない。先日、ジグメは初のミニアルバムをリリースし、その後すぐに、故郷ブータンの遺産との繋がりを感じさせる、初のミュージック ビデオも公開した。ジグメからは目が離せない!

ヴィヴ(31歳)

この韓国系アメリカ人の建設業者兼重機オペレーターは、マルチな才能で幅広く活躍する女性だ。建設現場の外の空き時間には、モデルをやったり、現在60万人以上のチャンネル登録者数を誇るという、原始時代のアイデアを取り入れたパレオ フードやライフスタイル専門のYouTubeチャンネルを運営したりしている。彼女が日中の仕事をやめる気はさらさらないことを考えると、次世代のマーサ・スチュワート(Martha Stewart)は、安全ヘルメットを被っていること間違いなしだ。

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