Y-3のユニフォームはどこにもなく、
どこにでもある

フランスのパリの中心から少し離れ、北東に位置する人里離れた場所に、その小さなラ・ヌーの村はある。人口300人未満、半ば見捨てられた地方のブルータリズムの建物に、広大な土地が広がる景色は、紛れもなく美しい。だが寂しい。

これは、2000年代初頭にYohji Yamamoto をadidasとの融合へ向かわせた、壮大さと孤独の二項対立と同じだ。数十年間にわたり型破りなデザインとアバンギャルドなシルエットを生み出してきた山本耀司は、誰とも協調しない黒幕のような存在だと考えられてきた。だが、Y-3 の誕生には、あらゆる人のために何かを作ろうという彼の意気込みが現れている。15年が経ち、Y-3の革命的なスポーツとデザインのハイブリッドは、古いもの、新しいもの、そして自由なもののための、ひとつのユニフォームとなった。ブランド15周年に敬意を評して、写真家スフォ・モンクロア(Suffo Moncloa)が、2018年春夏コレクション「Uniform of the Streets」をフランスのラ・ヌーで撮影する。