AGR
イギリス諸島で連綿と続くニットウェアの伝承は、いくつかの特色に集約されます。 先ず、 落ち着いた色調の、古風で飾り気のないウール ジャージのクルーネック。 次に、カラフルに遊び心を発揮するフェアアイル柄のモチーフ。 そして、変化にとんだケーブル編みとリブ編みを駆使する、アラン諸島生まれのデザイン。 これらのスタイルは世界中のデザイナー コレクションに登場しますが、Alicia Robinson (アリシア・ロビンソン) は新しい視線から伝承を見つめ直し、新たな表現を与える最先鋒のデザイナーと言って間違いありません。 ロンドンを本拠地として AGR を率いる Robinson は、2013 年にロンドン芸術大学のチェルシー カレッジ オブ アーツを卒業した後、急成長を続けるロンドンのファッション界で技術を磨くために James Long と Helen Lawrence の下で経験を積み、やがてフリーランスとして独立しました。 Robinson にとって、最大のインスピレーションの源はロンドン。 AGR のウェアには、ロンドンの多文化とロンドンっ子たちが醸しだす鮮烈な熱気がランダムなデザインに落とし込まれ、ミスマッチなストライプやタイダイの渦巻きがパズルのように乱舞します。 派手で過剰な要素が巧みにブレンドされ、思わず引き寄せられるウェアとして完成します。 しのぎを削るファッション界の先端を行くには、まっしぐらに突き進む活力と誠実なビジョンが必要ですが、AGR はそのふたつをまさに適切な配合で発揮しているようです。